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「僕の責任です」
「僕のせいで、僕を助けようとしてハワードは怪我を……」






 何度も、何度も繰り返す、まだ変声期前の透き通った声音で。
 痛々しいほど上擦りふるえる声で、ごめんなさいと繰り返す。何度も何度も。

 駆け付けた彼の母親に連れられセイレンが帰ると、場は一気に静かになった。


 診療所に運び込まれたハワードのそばを、セイレンは片時も離れようとしなかった。
 何度もハワードの名を呼ぶセイレンを抱きしめると、その肩はふるえ強張っていた。
 意識を失うハワードを見下ろすその横顔は血の気がなく倒れそうなほど蒼白だったが、
 涙で濡れる充血した目だけは、強い輝きをたたえていた。


 彼の父親と同じ目をしていた。




 夫はいまだ続く治療に立ち会い、待合室は私と男が残された。
 身を置く世界を違えた男とこうして共にいるのは、本当に久々のことだった。
 私の視線に気づいた男がこちらを見返す。視線が探り合うように交差する。



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