一次職での修得可能なスキル、JOBポイントとも云うが、その数は50単位。 その内、40単位までは修得必須、残りの10単位は修得自由となっている。 そして40単位修得した時点で、二次職への転職試験の受験資格を得ることができる。 剣士ギルドは、他の一次職ギルドに比べて上流階級層の割合が高い。 血統や家柄といった、ただその家に生まれただけで持つことを許された権力。 そのような自身で得たものではない力を、 さも当然のようにふりかざす高慢な態度、薄っぺらで脆い自尊心。 そんな者たちが多く集うギルドの雰囲気に、セイレンはどうしても馴染めなかった。 二番目の兄が出所と揶揄する気持ちも分からなくはない。 「そうか、お前ももうそんな頃になったのか」 今後どうするつもりなのだと父に問われ、 セイレンはナイフとフォークを皿に置き父に向き直ると、 冒険に出ようと思いますと答えた。 ルーンミッドガッツ王国の中枢に座する父と騎士団師長の二人の兄を持つセイレンは、 代々名のある騎士を輩出する名家の生まれである。 いずれはセイレンも兄達と同様に騎士団に入り、国王に忠誠を誓うだろう。 しかしそれまでに冒険に出て、ギルドでは習うことのできない、本当の戦いを、 本物の強さを身につけたかった。 | ||