火は輝く。火はあたたかい。火は全てを焼き尽くす。何もかも燃やし尽くすまで。
火の力を恐れているのは、なにより火自身なのかもしれない。
「助けてくれ、ハワード、私を助けてくれ」
その狂気を受け止められるのは、水であるハワードだけ。
ハワードは恐怖に顔を歪ませからだをふるわす。
壁に追い詰められ、必死にすがる。
「お、おれが、……セイレンを、た、助けないと」
火が迫り襲いかかる。ハワードは成す術もなくのみこまれる。