アサシンギルドに向かいかけた足跡は、中断を余儀なくされる。 アサシンギルドが動いたのだ。軽いいざこざの跡が見られる。 警告があったのかもしれない、ギルドなりの譲歩があったのかもしれない。 しかし、アサシンはギルドを裏切り、アサシンギルドは彼を見捨てた。 プロの暗殺集団に、子供を連れたアサシン一人が到底敵うわけがない。 確実に距離は縮まり、やがて大量の血痕の跡が砂に黒く残されていた。 誰かが血を流したのだ。それは、子供かアサシンか。 足跡と血痕を濃く刻み逃げる逃亡者。 モロクの町へ行きたかったのか、北へと向かおうとした足跡は、 新たな追跡者に挟まれ南へと追い詰められる。 (殺し損ねた生き残りが、援軍を呼んだんだ……) そして、僕が知る限り、南に逃げ道などない。 | ||